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5. XSELECT

XSELECT は、event ファイルに様々なフィルタをかけて、ライトカーブ・イメージ・ スペクトルを抽出することを主な目的としているソフトウェアである。 コマンドラインインタフェースによって、内部で FTOOLS を動かしながら必要 なタスクを行う。XSELECT が備える機能は以下の 4 つに大別される。

本章では、「すざく」の実際のデータ解析に即した XSELECT の使用法を述べる。 本章の目標は、XSELECT を通じて「すざく」の cleaned event file から自分の 目的に応じたライトカーブ、イメージ (XIS のみ) およびスペクトルを一通り作 成できるようになることである。

XSELECT の詳細なマニュアルについては以下を参照してほしい。

http://heasarc.gsfc.nasa.gov/docs/software/lheasoft/ftools/xselect/xselect.html

また、shell のコマンドライン上で
  $ fhelp xselect
あるいは XSELECT 上で
  xsel> help ?
とするとヘルプを参照することができる。 なお、以下の記述は XSELECT Version 2.3 に基づいている。


5.1 初期設定 (Initial Settings)


5.1.1 XSELECT の立ち上げ (Start XSELECT)

コマンドラインから
  $ xselect
と入力すると、XSELECT が立ち上がり、以下のような表示とプロンプトが表れる。
                  **  XSELECT V2.3   **
 
> Enter session name >[xsel]
ここできかれている session name は、XSELECT がカレントディレクトリに作成 する一時ファイル名の先頭に使われる。これらは XSELECT 終了と同時に消去さ れるが、session を途中でセーブしたいときは、ターゲット名など、後で見て分 かりやすい名前を付けるとよい。
ここでは GC_SRC1(銀河中心)の観測を例と する。
  > Enter session name >[xsel] GC_SRC1
ちなみに、XSELECT のコマンドラインでは、[ ] の中はデフォルト値を示す。 プロンプトは以下のようになる。

GC_SRC1:SUZAKU >


5.1.2 event file の読み込み (Read event files)

カレントディレクトリにある event file を読み込むには以下のように書く。

GC_SRC1:SUZAKU > read event ae100027010xi0_0_3x3n000_cl.evt
> Enter the Event file dir >[./] ./
正しく読み込まれると、続いて以下のような表示がされる。
 Notes: XSELECT set up for      SUZAKU
 Time keyword is TIME       in units of s
 Default timing binsize =   16.000

Setting...
 Image  keywords   = X          Y           with binning =    8
 WMAP   keywords   = X          Y           with binning =    8
 Energy keyword   = PI                      with binning =    1

Getting Min and Max for Energy Column...
Got min and max for PI:     0   4095

Got the minimum time resolution of the read data:   8.0000
MJDREF =  5.1544000742870E+04 with TIMESYS = TT
 Number of files read in:  1

******************** Observation Catalogue ********************

Data Directory is: /YOUR_ANALYSIS_DIRECTORY/xis/
HK Directory is: /YOUR_ANALYSIS_DIRECTORY/xis/

        OBJECT      DATE-OBS    TIME-OBS    DATE-END    TIME-END    EDITMODE
      1 GC_SRC1     2005-09-23  07:16:30    2005-09-24  10:39:58    3x3
複数の event ファイルを読み込ませたい場合、 たとえば 同じターゲットの2つの異なる時期の観測について、 それぞれの 3x3 mode と 5x5 mode の XIS のデータを 読み込ませたい場合は、以下のように書くことができる。
GC_SRC1:SUZAKU > read event "ae100027010xi0_0_3x3n000_cl.evt 
ae100027010xi0_0_5x5n000_cl.evt ae100037040xi0_0_3x3n000_cl.evt 
ae100037040xi0_0_5x5n000_cl.evt"
あるいは上記 event ファイルを列挙したファイル(ここでは evt.lis)を あらかじめ用意しておき、これを読み込ませる方法もある。
  GC_SRC1:SUZAKU > read event "@evt.lis"
ここでは以下のような evt.lis を読み込ませた。
  $ cat evt.lis
    ae100027010xi0_0_3x3n000_cl.evt
    ae100027010xi0_0_5x5n000_cl.evt
    ae100037040xi0_0_3x3n000_cl.evt
    ae100037040xi0_0_5x5n000_cl.evt
ただし、異なる INSTRUMENT の event files を同時に読み込ませる ことは出来ないので注意。


5.1.3 XSELECT で使用する変数 (Variables in XSELECT)

XSELECT で使用する変数の一覧は以下の通り。
  GC_SRC1:SUZAKU > set
  BINSIZE             -->  set the binsize for light curves
  DATA*DIR            -->  set the data directory
  DATAMODE            -->  setup Xselect for particular data modes
  DEVICE              -->  set the plot device
  DUMPCAT             -->  set make obscat to display or not
  IMAGE               -->  set the coordinates for the image to sky or det.
  INSTRUMENT          -->  set the instrument name
  MISSION             -->  set the mission name
  MKFDIR              -->  set the directory for the MKF file
  OBSDIR              -->  set the observation catalogue directory (default is pwd
  PHAREBIN            -->  set the pha bin size
  PAGEWIDTH           -->  set the pagewidth for show commands
  PHANAME             -->  set the column name for PHA
  QUIT                -->  quit set
  WMAPNAME            -->  set the column for the WMAP
  WMAPBINSIZE         -->  set the bin size for the weighted map
  XYBINSIZE           -->  set the bin size for the image
  XYNAME              -->  sets the column for images
  XYCENTER            -->  set the center for the image
  XYSIZE              -->  sets the size of the image
「すざく」のデータを取り扱う上でとくに注意すべき変数は以下である。
  BINSIZE       出力ライトカーブの binsize。単位はsec。defaultは 16.0。
  INSTRUMENT    検出器名。すざくでは XIS0, XIS1, XIS2, XIS3 および HXD のいずれか。
  PHAREBIN      出力スペクトルファイルの bin まとめ数。default は 1。  
  XYNAME        使用する座標軸。X Y で 天空座標を、DETX DETY で検出器座標を
                それぞれ指定。 default は X Y。
  XYBINSIZE     出力イメージの bin まとめするサイズ。単位は pixel。default は 8。
各変数がどののような値をとっているかは、
GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > show status
の以下の行で確認できる。
 *** MISSION ***

SUZAKU NONE XIS0 STANDARD                                       ← MISSION INSTRUMENT DATAMODE  
Time keyword is TIME       in units of s                        
Default timing binsize =   16.000                               ← BINSIZE   
Minimum timing resolution:   8.0000                               
Energy keyword is PI         with binning     1                 ← PHAREBIN
Max and min for PI        :     0    4095
 Image keywords   = DETX       DETY        with binning =    8  ← XYNAME XYBINSIZE
 WMAP  keywords   = X          Y           with binning =    8
各変数に default と異なる値を指定したい場合は以下のように書く。
  GC_SRC1:SUZAKU > set binsize 64.0
例えば XIS の各 sensor 上で同じ位置からスペクトルを取得したい場合は、 天空座標ではなく検出器座標でリージョンを指定する必要があるので、 以下のように設定する。
  GC_SRC1:SUZAKU > set xyname DETX DETY


5.2 ライトカーブの作成 (Generate Light Curves)

events file を読み込んでまず確認すべきことは、観測全体のライトカーブである。 観測中、検出器に何らかの異常が起こっていないか、太陽活動起源のフレアアップが 起きていないか、あるいは突発天体がバーストを起こしていないか、 などの情報をライトカーブから得ることができる。以下では、XIS のデータを例に 説明をする。


5.2.1 ライトカーブの抽出 (Extract light curves)

ライトカーブを抽出するには extract コマンド5.1 を用いる。
GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > extract curve

…(中略)…

          Total      Good    Bad: Region      Time     Phase     Grade     Cut
         126063    126063              0         0         0         0         0
===============================================================================
   Grand Total      Good   Bad:  Region      Time     Phase     Grade    Cut
        126063    126063              0         0         0         0         0
   in  37052.     seconds
 Fits light curve has   126063 counts for  3.402     counts/sec

今は特にフィルタリングをかけていないので、すべてが Good と判定されている。つまり、読み込んだイベントファイル中の 全 event のライトカーブが作成されたことを示している。 さっそく見てみる。

  GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > plot curve

とすると内部で qdp が呼び出され、作成されたライトカーブが ディスプレイに表示される。横軸は観測開始時刻からの経過時間 (sec)、 縦軸はカウントレート (counts/s)。 ライトカーブでところどころデータが抜けているのは、 cleaned event になっている時点で、地没や SAA の 時間帯が あらかじめ取り除かれているためである。


5.2.2 エネルギーバンドの指定 (Filter energy bands)

切り出すエネルギーバンドの指定は PI で行う。
PI とエネルギーの関係はそれぞれの検出器で以下の通りである。

XIS: $E = 3.65{\rm PI}$ [eV]
HXD-PIN: $E = 0.375 ({\rm PI\_PIN} + 1.0)$ [keV]
HXD-GSO: $E = 2 ({\rm PI\_SLOW} + 0.5)$ [keV]
例えば XIS で 2.0$-$6.0 keV のエネルギーバンドの event を 切り出したい場合は以下のように書く。
  xsel:SUZAKU-XIS0-STANDARD > filter pha_cutoff 547 1644
PI channel は幅をもっているために、隣接する2つの エネルギーバンドで切りたい場合は、 PI channel に重複がないように指定する。 たとえば、HXD-PIN で 15-40 keV と 40-70 keV の二つの エネルギーバンドを切りたい場合は、それぞれ
 filter pha_cutoff 40 106
 filter pha_cutoff 107 186
もしくは、
 filter pha_cutoff 40 107
 filter pha_cutoff 108 186
とする。 もし 2つのバンドの境目で同じ PI channel(上記の例では 107 ch)を指定すると、 PI=107 のエネルギーに対応するイベントは、両方の エネルギーバンドに含まれてしまう。特に 1 ch の幅が 大きい HXD の解析の場合には注意が必要である。

filter をクリアしたい場合は、

 claer pha_cutoff
でよい。


5.2.3 タイムリージョンの指定 (Filter time regions)

XSELECT では以下の方法で任意のタイムリージョンを指定して event を切り出すことができる。
  (1) CURSOR              -->  タイムリージョンをマウスで指定
  (2) FILE                -->  GTIファイルを読み込ませて指定
  (3) MJD                 -->  MJD time で指定
  (4) SCC                 -->  SpaceCraft time で指定
  (5) UT                  -->  UT で指定
本節では (1) による方法を述べる。 まず、extract curve コマンドによってライトカーブが抽出されている 状態で、
  GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > filter time cursor
とすると内部で qdp が立ち上がり、現時点で抽出されている ライトカーブがディスプレイに表示される。qdp プロンプトで
  PLT> quit
とすると、マウスでタイムリージョンを指定できる状態になる。 表示されているライトカーブの上にカーソルを持っていき、 start time にしたい場所でクリックをすると、ライトカーブ上方に 緑の十字印が表示される。 続いて end time にしたいところでクリックすると、start-end time 間に白い線分がひかれる。この線分の範囲内の時間帯が タイムリージョンとして選ばれたことを示している。 複数のタイムリージョンを指定したい場合は、上の動作を繰り返せばよい。 指定したタイムリージョンの間に不要な時間帯がある場合は、除きたい 時間の start / end time にカーソルを合わせてそれぞれ ``e'' を押すと、この間の時間帯はタイムリージョンから削除される。 その他のコマンドは以下の通り。
``p'' qdp のプロンプトに戻る。
``c'' 指定したタイムリージョンをキャンセルして XSELECT プロンプトに戻る。
``x'' 指定したタイムリージョンをセーブして XSELECT プロンプトに戻る。
``x'' で XSELECT プロンプトに戻った後に extract すれば いま指定したタイムリージョンのフィルタをかけた状態でイベントを 抽出することができる。 なお、タイムリージョンは GC_SRC1_cursor_gti001.xsl の 名前でセーブされているが (GC_SRC1 は初めに指定したセッション名)、 XSELECT 終了時にセッションをセーブしない場合はこのファイルは 消去されてしまう。このため、タイムリージョンを残しておきたい場合は 以下のようにして別名で保存しておくとよい。
  GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > save time cursor good <-- FITS 形式で保存
  GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > save goodtime good    <-- ASCII 形式で保存
それぞれ good.curs_gti (FITS)、 good.gti (ASCII) の名前で保存される。 これらは適宜、別のセッションでも
  GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > filter time file good.gti
などとして、 GTI フィルタとして読み込ませることができる。 読み込んでいるフィルタを clear したい場合は
  GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > clear time cursor
とする。GTI ファイルとして読んでいるフィルタは
  GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > clear time file good.gti
などとすれば clear できる。


5.2.4 作成したライトカーブの保存 (Save light curves)

上記のようにして作成したライトカーブを FITS 形式で保存するには
  GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > save curve lc_xis0_3x3.fits
とすればよい。 ファイル名は自分の好きなように付けることができるが 、あとで見ても分かるような名前を付けるとよい。 ライトカーブを qdp 形式で保存したい場合には
  GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > plot curve
  PLT> wdata lc_xis0_3x3
  PLT> whead lc_xis0_3x3
とすると、lc_xis0_3x3.qdp と lc_xis0_3x3.pco が作成される。
  PLT> wenviron lc_xis0_3x3
で一度に作成することもできる。


5.3 XIS イメージの作成 (Generate XIS Images)

本節では XIS イメージを作成する方法について述べる。 イメージを作成するうえで注意すべき変数は XYNAMEXYBINSIZE の2つである。


5.3.1 タイムリージョン・エネルギーバンドの指定 (Filter time regions/energy bands)

ある特定のタイムリージョンや、特定のエネルギーバンドのイメージを作成 したい場合は、それぞれに応じたフィルタをかける必要がある。

タイムリージョンとして、たとえば前節で作成した GTI を 指定する場合は、

  xsel:SUZAKU-XIS0-STANDARD >  filter time file good.gti
でよい。 一方で、特定のエネルギーバンドで切りたい場合は、 切り出すエネルギーを PI で指定したフィルターをかける。 PI と エネルギーの関係については、第 5.2.2 節を参照。 例えば 2.0$-$6.0 keV のエネルギーバンドのみを切り出したい 場合は以下のように書く。
  xsel:SUZAKU-XIS0-STANDARD > filter pha_cutoff 547 1643


5.3.2 イメージの抽出・保存 (Extract/save images)

続いて以下のコマンドで、上記のフィルタをかけたイメージが抽出される。

GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > extract image
…(中略)…
          Total      Good    Bad: Region      Time     Phase     Grade     Cut
         126063     84548              0       164         0         0     41351
===============================================================================
   Grand Total      Good   Bad:  Region      Time     Phase     Grade    Cut
        126063     84548              0       164         0         0     41351
   in  36936.     seconds
 Image            has    84548 counts for  2.289     counts/sec
Time, Cut の欄の数字は 除外されたタイムリージョンのイベント数および 指定した範囲外のエネルギーを持つイベント数をそれぞれ示している。

続いて

  xsel:SUZAKU-XIS0-STANDARD > saoimage
とすると ds9 が立ち上がり、作成したイメージを見ることができる。ds9 の詳 細については 第 6 章 (ds9) を参照してほしい。

XSELECT の default の座標系は天空座標 (X, Y) なので、 とくに指定しない限りイメージの XY 軸はそれぞれ (RA, Dec) に沿ったものとなる。 また、イメージの bin サイズ (xybinsize) は default で 1bin = 8 pixels となっている。 これらの値は 第 5.1.3 節で述べた通り set コマンドで 変えることができる。

  xsel:SUZAKU-XIS0-STANDARD > save image 2060_8bin_sky.fits
すると、イメージが FITS 形式で保存される。 ファイル名は自分があとで見ても分かるような名前を付けておくと良い。


5.4 スペクトルの作成 (Generate Spectra)


5.4.1 スペクトル取得領域の指定 (XIS) (Regions in extracting spectra)

XIS のスペクトルを作成する場合、スペクトルを切り出す領域を region file で指定する必要がある。
手順は以下の通り。
  1. まず 第 5.3.1 節の手順と同様に extract image で 抽出したイメージを ds9 で表示させる。 または第 5.3.2 節の手順で保存した image FITS を ds9 で表示させる。
  2. ds9 上でスペクトルを切り出したい領域の region file を作成する。ds9 については第 6 章を参照してほしい。 また、region file の format に関する注意は 第 6.3.3 節にまとめられている。
  3. 2. で作成した region file を xselect で読み込む。region file 名を src.reg として
         GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > filter region src.reg
    
    とすると、リージョンフィルタがかかる。 ここで、region file の座標系・bin サイズは、それぞれ XSELECT の XYNAME・XYBINSIZE の値に一致している必要がある。

    フィルタが正しい位置にかかっているかどうかを確かめるには

      GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > extract image
      …
      GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > saoimage
    
    でイメージを見てみるとよい。


5.4.2 スペクトルの抽出・保存 (Extract/save spectra)

スペクトルを抽出するには
  GC_SRC1:SUZAKU-XIS0 > extract spec
とする。取得したスペクトルは
  GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > plot spec
で簡単に確かめることができるが XSELECT ではこれ以上のことはできない。 以降の解析は XSPEC を用いて行う。 得られたスペクトルを保存するには
  GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > save spec src.pha
とすると、PI file として保存される。 続いて以下のように 「output のスペクトルを binまとめ するかどうか」を訊かれるが、 binning は XSELECT 終了後に grppha などの FTOOLS を用いて行うことができるので、 この時点では no で問題ない。
> Group ( or rebin ) the spectra before outputting? >[no] no 
Wrote spectrum to src.pha

grppha の使い方については 8 章を参照してほしい。


5.5 その他便利な解析方法 (Tips)


5.5.1 event file の作成 (Extract filtered event files)

よく用いるフィルタ条件をかけた event file をあらかじめ作成しておくと そこから解析を始めれば、フィルタをかけ直す手間が省ける。
  GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > extract events
で event file を作成できる。 保存は以下。
  GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > save event filtered_evt.fits
  > Use filtered events as input data file ? >[yes]
最後のプロンプトで yes と答えると、以後のセッションでいま保存した event file を 入力 event file として読み込んでくれる。


5.5.2 ライトカーブ・イメージ・スペクトルの同時作成 (Extract light curves, images, and spectra)

  GC_SRC1:SUZAKU-XIS0-STANDARD > extract all
で、一度にライトカーブ・イメージ・スペクトルを抽出できる。ただし3つとも 同一のフィルタ条件で描かれることに注意(これが第 4 章 での方法である)。


5.5.3 シェルコマンドの使用 (Using shell commands)

XSELECT 内でシェルコマンドを用いたい場合は、 $+シェルコマンド で使用することができる。
  GC_SRC1:SUZAKU > $ls
など。読み込ませるファイル名が分からなくなったときなどに便利。


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平成21年8月20日