プロジェクト
「熱い」宇宙を
ブラックホールや中性子星、あるいは、銀河や銀河団といった、強力/大規模な重力場には、100万度から1億度といった高温のガス (プラズマ)が生成/束縛されています。 また、超新星爆発による星間ガスの加熱・加速でも同じような高温のガスや、高速の粒子が生成されます。さらに、太陽の1億倍もの質量をもった巨大ブラックホールからは、 光速にせまるプラズマ流が吹き出していることも知られています。
夜空にひろがる静謐な星空も、より波長の短いX線やガンマ線でみると、一転して、荒々しくダイナミックな姿を現します。 我々は、X線やガンマ線の観測を行うことで、このような「熱い」宇宙の姿を解き明かそうとしています。
宇宙から観る
宇宙からのX線やガンマ線は、そのままでは地球大気に吸収されたり散乱されたりしてしまいます。 そこで我々は、観測装置を載せた専用の人工衛星を開発し、打ち上げ、大気のない宇宙空間で観測を行います。
常に新しい宇宙の姿を求め、さらに優れた観測装置を開発しています。 いままで誰もみたことのない宇宙の姿を、世界に示すことを目指しています。
|
|
|
|
|
差し渡し45万光年におよぶ |
左の同じ領域をX線観測衛星「あすか」で撮像。 マイクロ波宇宙背景放射渡を高エネルギープラズマが散乱してつくりだしたX線放射が発見された。 (Kaneda et al. 1995: Tashiro et al. 2001) |
宇宙X線の観測
活動銀河核 (Active Galactic Nucleus)
我々の住む天の川銀河を含め、多くの銀河の中心には、太陽の100万倍から1億倍以上の質量をもったブラックホールが存在すると考えられています。 そのブラックホールに、まわりのガスや星が落ち込んでゆくとき、重力エネルギーが解放され、電磁波やプラズマを放出します。これが活動銀河核です。 その明るさは、しばしば銀河の恒星全体よりも明るくなります。
宇宙ジェット・電波ローブ(Cosmic Jets and Radio Lobes)
活動銀河核はときどき、宇宙ジェットとよばれるプラズマ流を放出します。このプラズマ流は、ほとんど光の速さに達し、銀河と銀河のあいだの空間を、100万年にわたって吹き渡るジェット流です。 ジェットは最後にローブと呼ばれるプラズマの海に流れ込みます。このプラズマ流はエネルギーが高く、またとても巨大です。 そこに蓄積されるエネルギーの総量は10の53乗ジュールに達し、100億の恒星が1億年かかって放射するエネルギーに匹敵することがわかってきました。
ガンマ線バースト(Gamma-Ray Burst)
宇宙で毎日のようにおこっているガンマ線、硬X線の爆発的放出現象。ながらくその正体は不明でしたが、最近になって、巨大な恒星が崩壊しブラックホールを形成するときの現象であるということがわかってきました。
人工衛星搭載・観測装置の開発
|
|
「ひとみ」搭載 SXS-PSP(Soft X-ray Spectrometer) + SpaceWire2016年2月に打ち上げられた「ひとみ」衛星に搭載。SXSは軟X線分光観測装置で、0.3-12 keV において高エネルギー分解能を誇り、 その波形処理部(PSP)の開発・検証を行っている。SpaceWireは衛星内部のデータ配信ネットワーク及びプロトコルで、その配信時刻精度の検証を行っている。 |
|
「すざく」搭載 HXD (Hard X-ray Detector)2005年夏打ち上げられた「すざく」衛星に搭載の、X線観測装置。10-700キロ電子ボルトのエネルギーの高いX線を史上最高感度で観測する。 HXD-IIチームとの共同開発。 |
||
|
Swift搭載BAT (Burst Alert Telescope)2004年11月にうちあげられた、ガンマ線バースト観測衛星Swiftに搭載されている硬X線望遠鏡。全天の1/6を監視し、ガンマ線バーストをいちはやく検知する。 NASA ゴダード宇宙飛行センターと共同開発。 |
