Assigned Member (担当者)2008-10-20 A.BambaName and Institute (質問者/機関)山口弘悦さん(理研)Question (質問)abstract: XIS1 の 0.4keV以下のbandに正体のよくわからないバックグラウンド成分が見られます。検出器上での場所依存もあります。これは何でしょうか? 添付ファイル fig1.jpg (黒)は、fig2.jpg に長方形で示した、特に天体のない領域から抽出した XIS1 のスペクトルです (赤と緑のスペクトルについては後述)。 xisnxbgen で作成した NXB のみを引いており、>10keVでは src-bgd間のcount rate がほぼ一致している(つまりNXBは正しく引けている)ことは確認しました。しかしながら、ご覧の通り0.4keV以下の count rateが著しく高く、このバンドのスペクトルを現実的なモデルでは再現できませんでした。 そこで XIS1 の PI=27-82 (0.1-0.3keVに相当)のライトカーブを確認したところ、fig3.jpg のように比較的バタバタしていました。また、同じバンドのイメージ(fig4.jpg)を見ると、event rate に場所依存性があることがわかりました。どうやら nodeに近いほど rateが高いようです。なお、他のバンドやセンサーではライトカーブの不安定性やイメージの非一様性は見られませんでした。 この原因を探るべく、fig3.jpg で rate > 2 cnt/sの時間帯、および rate >0.4 cnt/s の時間帯をカットしてスペクトルを再度作成したところ、それぞれfig1.jpg の赤および緑のようになりました。0.4keV以下のみで count rate がやや減少しているものの、他のバンドにはほとんど影響がないことがわかります。さらに、fig4.jpg で見られた場所依存性は GTIカットをしても消えませんでした。スペクトルも相変わらずモデルで再現できません。つまり「このBGD成分は0.4keV以下のみに寄与しており、強度に時間変動があるものの常に存在している」と結論できると思います。なお、CORとの相関は見られませんでした。 他のデータもいくつか当たってみて、同様のことが起こっていないか調べました。その結果、上記のような PI=27-82のイメージの非一様性がSN1987A (ID:801090010, date:2006-06-08, SCI:off)では見られず、Vela Fragment B (ID:501085010, date:2006-11-05, SCI:on)では見られました。但し、後者も IKT25ほど顕著ではありませんでした。 そこでいくつか質問です。
![]() ![]() ![]() ![]() Answer from(回答の文責)山口弘悦さん(理研)Answer (答え)質問者である山口さんの調査により、フリッカリングピクセルが原因らしいことが判明。以下、山口さんからの情報。こちらでもう少し調べてみたところ、フリッカリングピクセルが原因らしいことがわかりました。添付した figure5 は黒、赤、緑の順に、cleansisの "logprob"を、それぞれ-5.3(デフォルトと言うか推奨値)、-5, -4.5 にした場合のスペクトルです(抽出領域は前回と同じ)。logprob=-5 で例のイベントがかなり解消されることがわかりました。また、figure6は0.1-0.3keVのイメージですが、完全ではないものの非一様性は大きく改善されました。 なお、エレベーション (ELV or DYE_ELV) とは一切相関がありませんでした。 ![]() ![]() Status (詳細なステータス)2008-10-17 Accepted2008-10-17 Cont. 2008-10-20 Assigned 2008-10-30 Done ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |