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Question ID = 0089

Assigned Member (担当者)

2007-12-25 R. Fujimoto

Name and Institute (質問者/機関)

瀬田裕美さん(埼玉大学)

Question (質問)

Rev 2 以降の XIS データでは、SCIのデータも普通に解析出来るようになって いると思いますが、その際に BACKSCAL の扱いはどのようにしたら良いでしょ うか。

XSELECT でスペクトルを作ると、全体の画像領域のサイズに対する積分領域の 割り合いがBACKSCAL に代入されると思います。しかし、event_cl の イベン トファイルでは SCI によってすでに約 5 % の領域が除かれているので、この 分は BACKSCAL に反映させなければならないと思います。もちろん、積分領域 の型が SCI の間隔より十分大きな円の様な場合にはそれ程効かないかも知れ ませんが、細長い楕円の様な場合には重要になる可能性もあると思います。ま た、広がった暗い天体に対しては、このような微妙な条件もしっかりと考慮し なければならない場合もあります。

実例として、今回ひろがった暗い天体の解析をしていて、バックグラウンドに 異なる時期に観測したデータ(例えばNEP)を使うことを検討しました。しかし、 我々の観測は SCI-on で NEP SCI-off ですので、上記のようなことが効いて しまいます。(PL-like な Hard Continuum なので、例え分解能を犠牲にして もバックグラウンドのレベルをおさえたいのです。)

もちろん、この問題は Rev 1 データで行なっていたように、SKY座標ではなく DET座標で解析を行なって SCI の行を除けば解決出来ることは認識しておりま す。しかし、その場合には天空座標の情報を失ってしまうので、困難が生じて しまいます。

よろしくお願いいたします。

Answer from(回答の文責)

松本浩典さん(京都大学)、石崎欣尚さん(首都大学東京)、海老沢研さん(ISAS/JAXA)

Answer (答え)

BACKSCALにSCI-on時のdead areaが反映されるか、もしくはそれを求める方法があるか、という質問に対する答えです。
  1. 標準的な方法でスペクトルを作った場合、BACKSCALにはSCI dead areaは反映されません。
  2. それを計算・補正するためのすざくの専用ツールは存在せず、今のところ製作も予定されていません。
  3. xisexpmapgenはSCI dead areaを考慮するので、以下のような方法で評価することが可能です。
    1. xisexpmapgenでDETあるいはSKYのexposure mapを作成する。
    2. 作成したexposure mapのsourceおよびbackgroundで使う領域の積分値をftimagecalcやftstatで計算する。
    3. このようにして得られた値をBACKSCALをとして使用する。
    ただし、xisexpmapgenでも、(通常の使い方では)機上で除かれるhot pixelやcleansisで除かれるflickering pixelは考慮されません。

BACKSCALによるbackgroundの補正は、CCD上の面積でスケールするだけなので、NXBやCXBの場所依存性は考慮されません。さらに、BGD 領域にソースの洩れ込みがある場合にはxissimやxissimarfgenなどを用いて個別に考慮する必要があります。

なお、一般論として、SCI onとSCI offではエネルギースケール等が異なっており、SCI onのデータからSCI offのblank skyデータをバックグラウンドとして差し引くことはお薦めできません。SCI onのblank skyデータを使用するか、非X線バックグラウンドをSCI onのnight earthデータで差し引いてX線バックグラウンドは別に見積もるのが適切な方法です。

Status (詳細なステータス)

2007-12-25 Accept
2007-12-28 Done
2008-01-02 Revised

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