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Question ID = 0056

Assigned Member (担当者)

2007-05-30 M.Nakajima

Name and Institute (質問者/機関)

森井 幹雄 / 立教大学

Question (質問)

立教大学の森井です。
Question ID = 0054 の続きです。

以下のように、スペクトル解析を行いましたが、相変わらず、 xis1 だけ、normalization が20%くらい小さくなります。 以前と同様に、xis0 の normalization を 1 にfixし、 xis1,2,3 のnormalization をフリーにしてfit しています。

まず、
1.contamination の影響がないと考えられる 2.0 keV 〜 10 keV だけを使う。
2.xissimarfgen, xisrmfgen の version を 2006-11-26 にする。 ようにしました。
結果は、下のようになり、
xis0 1.00000 fixed
xis1 0.784591 +/- 0.519975E-02
xis2 0.979740 +/- 0.621824E-02
xis3 0.999696 +/- 0.642177E-02
xis1 だけ小さい値になりました。

次に、xissimarfgen, xisrmfgen で作った arf, rmf を使うのではなく、 CALDBに用意されている rmf と arf:
caldb/data/suzaku/xis/cpf/ae_xi?_20060213.rmf
caldb/data/suzaku/xis/cpf/ae_xi?_hxdnom2_20060615.arf
を使ってみました。webから最新のcaldb を持ってきました。

ここで、実際のデータの切り取り領域は、 HXD nominal pointing をした 点源の peak 位置を中心とした 半径 1 分の 円内 と、各XISの 1/8 window mode の領域の AND を取った領域です。したがって、 CALDB内のarfが想定している領域とは異なるため、 normalization の絶対値には意味がありません。 しかし、xis0 との相対的な値は1くらいにならないといけないはずです。 結果は、
xis0 1.00000 fixed
xis1 0.806670 +/- 0.657643E-02
xis2 1.03244 +/- 0.792144E-02
xis3 0.994328 +/- 0.774908E-02
でして、これでもxis1 だけ小さい値になりました。

exposure もチェックしましたが、 xis0,2,3 と xis1 との差は3秒でした。

event の抜き出し方が良くないかと思って、 ds9 上で、event file と region file を重ねてみましたが、 一致していました。

light curve に変なところはありません。

他にチェックすべきことはありますでしょうか?
他の観測でもnormalizationが合わないことがありますでしょうか?
この時期の観測データだけの特有の問題でしょうか?

また、解決方法がありましたら教えてください。

Answer1 from(回答1の文責)

石崎 欣尚 / 首都大学

Answer1 (答え1)

馬場さんからもコメントがありましたが、ひとつには 1/8 window mode ということで積分半径を 1' とかなり 小さくとっていることが影響している可能性があると思います。

Serlemitsos et al. (2007) Fig.12 にあるように、XRT の HPD は XIS0: 1.79', XIS1: 2.28', XIS2: 2.03', XIS3: 1.96' と XIS1 だけやや悪くなっています。

本来は、ARF レスポンスの方でこれを吸収すべきですが、 現状の XRT のレスポンス作成に使っている mirror ファイル

ae_xrtN_mirror_20060710.fits

は、現状ではすべてのセンサで同じになっており、 センサによる PSF の違いは考慮されていません。

このため、CALDB に入っている ARF も、積分半径を 2 mm = 1.44' からのものしか置いてありませんし、出来るだけ 6 mm = 4.33' 以上の 積分半径を取ることが推奨されています。
# まあ 1/8 window なのでしょうがないですが。

そのほかに効く要因としては、
- 姿勢の揺らぎ (現状の姿勢ファイルでは 0.5' 程度の揺らぎが残ります)、
- bad column (これも XIS1 のほうが少し多いはず)
ということも考えられます。これらについては version 2.0 process の aeattcor や xissimarfgen を使えば、改善される可能性がありますが、 宇宙研に実行ファイルが置いてあるので、良かったら試してみて下さい。

/usr/local/astroe/com/src/asteftools/2007-05-30/linux/
-rwxr-xr-x 1 aste-com 2817516 May 30 19:56 aeattcor

/usr/local/astroe/com/src/astearf+SimASTE/2007-05-28/linux/
-rwxr-xr-x 1 aste-com 5786286 May 30 19:40 xissimarfgen

です。

Answer2 from(回答2の文責)

前田 良知 / 宇宙研

Answer2 (答え2)

補足ですが、aeattcor の

1) aeattcor で att file を更新
2) xiscoord で X,Y column を更新
3) xselect などで pha file を再製作。
4) xissimarfgen で arf を再製作。

という流れになります。ただし、v1.2 の file には (2) の process で 公開されていない(?) bag があり、event が消えることがあると思います。 対処法ですが、
http://www.astro.isas.jaxa.jp/suzaku/analysis/xis/sci/
に xispi をかけなおす walkthtrough の内、xispi の command の部分を xiscoord に置き換え てコマンドを打ってください。 適当なタイミングで
./cut3rows.csh
を走らせるのがバグ回避法になります。v2.0 product では./cut3rows.cshは必要ありません。

手間ですが、対応よろしくお願いします。

Comment on Answer2 from(回答2へのコメントの文責)

村上 弘志 / 宇宙研

Comment on Answer2 (答え2へのコメント)

> という流れになります。ただし、v1.2 の file には (2) の process で
> 公開されていない(?) bag があり、event が消えることがあると思います。
> 対処法ですが、
> http://www.astro.isas.jaxa.jp/suzaku/analysis/xis/sci/
> に xispi を欠けなおす walkthtrough の内、xispi の command の部分を xiscoord に置き換え
> てコマンドを打ってください。

このbugって、event extensionと矛盾したextensionがついてる、
というやつですよね。
でしたら、対処法は上のURLの
1. Make the cleaned event file only with EVENTS and GTI extensions.
の部分だと思います。xselectで何もしないでevent fileをsaveし直す部分。

> 適当なタイミングで
> ./cut3rows.csh
> を走らせるのがバグ回避法になります。v2.0 product では./cut3rows.cshは必要ありません。

これは、SCIとその前後の行あわせて三行を取り除くためのもののはずです。
1/8 windowでSCIはやってないので今回は必要ないはず。

Status (詳細なステータス)

2007-05-30 Accept
2007-05-30 Asgn.
2007-05-31 Cont.
2007-06-02 Reso.
2007-06-02 Done.

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