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Question ID = 0054

Assigned Member (担当者)

2007-05-21 M.Kawaharada

Name and Institute (質問者/機関)

森井 幹雄 / 立教大学

Question (質問)

立教大学の森井です。suzaku の xis arf について質問があります。2006年4月に観測した SNR Kes 73 のスペクトルをフィットするとき、 xis0 のnormalization を 1 にfixし、xis1,2,3 のnormalization をフリーにして fit しました。すると、xis2,3 は、1 に近い値になるのですが、xis1(BI)だけ、0.78 という不自然に小さい値になってしまいます。

1.8 keVあたりのSi peak 以下で、xis1のカウントが他と比べて多い訳ではないのに、effective area は、xis1が他より大きくなっているため、xis1のnormalization が小さくなったと考えられます。

おそらく、arf が正しく作られていないのが原因と思います。解析で使用した arf は、xissimarfgen の ver 2006-08-02 を使って作成しました。xissimarfgen のparameterに、

xis_contamifile = $CALDB/data/suzaku/xis/bcf/ae_xi1_contami_20061016.fits

を設定しているので、contami 関係は取り込んでいると思うのですが、それ以外に、xiscontamicalc というコマンドもあり、xiscontamicalc と、CALDB の contami file の関係が良くわかりません。適切にcontamiの影響を取り込む手順を教えていただけませんか?

Answer from(回答の文責)

石崎 欣尚 / 首都大

Answer (答え)

>1.8 keVあたりのSi peak 以下で、xis1のカウントが他と比べて多い訳
>ではないのに、effective area は、xis1が他より大きくなっているため、
>xis1のnormalization が小さくなったと考えられます。

XIS は BI なので、多少のコンタミがあっても有効面積が低エネルギー側で多くなるのは自然です。スペクトルが低エネルギー側でほとんどカウント数に差がないのはおそらく Kes 73 が大きな吸収を受けていて、実質的に低エネルギーのX線が来ていないためでしょう。このような場合、フィットに使っているモデルを変更すればセンサ間でよりノーマリゼーションが合うものが見つかることがあります。

>おそらく、arf が正しく作られていないのが原因と思います。解析で使用した
>arf は、xissimarfgen の ver 2006-08-02 を使って作成しました。
>xissimarfgen のparameterに、
>
>xis_contamifile = $CALDB/data/suzaku/xis/bcf/ae_xi1_contami_20061016.fits
>
>を設定しているので、contami 関係は取り込んでいると思うのですが、

2006-08-02 は古いので、もう使わない方が良いです。HEAsoft 6.2 に入っている xissimarfgen は version 2006-11-26 です。少しでも速いものが使いたければ、intel C/C++ でコンパイルしたものが

http://www-x.phys.metro-u.ac.jp/~ishisaki/xissim/

から入手できます。

>それ以外に、xiscontamicalc というコマンドもあり、xiscontamicalc と、CALDB の
>contami file の関係が良くわかりません。適切にcontamiの影響を取り込む手
>順を教えていただけませんか?

また、コンタミを正しく取り込むには、
- 最新の contami CALDB ファイルを使用することと、
- 観測時期を正しく設定すること、
- スペクトルの積分領域を正しく設定すること、
- 天体の表面輝度分布を出来るだけ実際に近いものを使用すること、
- 出来るだけ正確な姿勢ファイルを使用すること、
が効いてきます。

xiscontamicalc は、もともとはある時期、ある場所におけるコンタミ量を計算するためのツールとして作成されましたが、さらにその発展として、

- arf に計算した時期におけるコンタミ量に応じた吸収をかける
- arf 作成時に計算したコンタミ量を増減する

という機能が付加されています。前者は、点源 ARF にコンタミ吸収分をかけることで簡便に arf を作成するため、後者は、主にコンタミの不定性による systematic error を評価するための機能です。使い方の詳細は、

% fhelp xiscontamicalc

で見て下さい。

Status (詳細なステータス)

2007-05-21 Accept
2007-05-21 Asgn.
2007-05-22 Cont.
2007-05-22 Reso.
2007-05-22 Done.

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