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硬X線検出器, 広帯域ガンマ線全天モニター (HXD-WAM)
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硬X線検出器, 広帯域ガンマ線全天モニター (HXD-WAM) とは?
硬X線検出器 (HXD) が、 10から700 keVで高い感度を誇るのは、主検出部の周囲に BGO シンチレータを配置し、 徹底的に反同時計測を行なっているからである。 こうした外周結晶は、下図の左のように 4 面あり、 あらゆる方向からの天体の信号を受け止めており、 HXDの追加機能として、全天をモニターする観測が行なえる。 これを、HXD の広帯域ガンマ線全天モニター(WAM)機能と呼んでいる。 下図の右のように、HXD-WAM は 各面それぞれ幾何学的に 800 cm2 もの巨大な面積をもち、 他の衛星に搭載された検出器に比べても遜色なく、 メガ電子ボルトまで観測できることが大きな特徴となっている。

二種類のデータ種別
HXD-WAM から出力されるデータには、二種類の種別がある。一つが、下図の左に示すような、 毎秒出力されるデータ (TRN Mode) で、 50 keV から 2 MeV までを 54 チャンネルのエネルギービンでカバーし、 常時、出力されている。 下図(左)にみえるような天体現象によりライトカーブに急激な変化が起こると、 下図の右に示すような Burst Mode のデータとして、 エネルギー軸は4チャンネル、時間分解能が64ミリ秒のデータが 128秒間、 追加で取得される。なお、2006年 3月20日以降は、Burst Mode のデータは、 「32ミリ秒の時間分解能で 64秒間カバー」という設定に変更して運用している。

ガンマ線バーストの観測例

太陽フレアの観測例


HXD-WAM として活躍する検出部(BGOシンチレータ 20ユニット)は、 約3年の歳月をかけ理化学研究所にて組み上げられ、衛星に塔載されました。

公式 HXD-WAM ホームページ
HXD-WAM Internal Page (need passward)
(文責) 寺田幸功
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